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カットスチール、エナメルアンティークボタン

カットスチールボタン

カットスチールとは、ファセット(多面)カットを施した小さなスチール(鋼、鉄合金)のパーツの事です。ダイヤモンドの見た目を真似たものとして18世紀頃登場し、隆盛を極めましたがスチールは鉄を主成分としている為錆びやすく、高価だったこともあり次第に生産されなくなりました。19世紀の終わり頃まで生産されていたそうです。
私が所有している全面カットスチールで覆われた大きなボタンは19世紀フランス製のものです。

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エナメルボタン

エナメル(七宝焼き)の技法は古く、紀元前の中近東にまで遡ります。金属の下地に釉薬を乗せ高温で焼き上げるという手法で、ブローチなど小さな装身具から壺や皿、香炉といった工芸品、家具などの大きなものまで作られるものは多岐にわたります。
長期間劣化せず美しさが半永久的に保たれるエナメルは、18~19世紀頃にはこういったボタンにも多く使用されていたようです。
こちらはエナメルにカットスチールを合わせたボタン。繊細な花々の絵付けが美しいボタンです。

こちらのボタンはおそらく19世紀後半頃の製作と思われます。
こういったエナメルボタンはこのボタンのようにカットスチールと組み合わせたもの、ペースト(カットを施したガラス製のストーン)で縁取ったものや金属の一部分にオープンワークを施したものなど華麗なものが多く、コレクターの方の収集品やネットショップ、オークションなどをたまに覗いては目の保養にしています。

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どちらのボタンも現在ではほとんど製作されていないボタンです。特にカットスチールは失われた技術と言えるかもしれません。
縁あって私のもとに来たボタンたち。大切にしていきたいと思います。

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by iris-accessory | 2016-09-14 21:28 | Buttons