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過日、パナソニック汐留美術館にて開催中の【コスチュームジュエリー 美の変革者たち】展へと足を運びました。
開催期間は10/7(土)~12/17(日)まで。

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コスチュームジュエリー(様々な非貴金属素材を用いて制作されたジュエリー)、その先駆者たるポール・ポワレ、コスチュームジュエリーの知名度と地位を一挙に押し上げた立役者シャネル、その最大のライバルであったスキャパレッリ、そしてディオール、サンローラン、ジバンシィ、バレンシアガ……「コスチューム」、つまり衣服・ファッションとは切っても切れない関係である事がよく分かります。

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そういったオートクチュールメゾンの殆どと深い関わりを持ち、多くの作品を提供してきたメゾン・グリポワ。
細い金属線で形作った枠に溶かしたガラスを流し込む高度な技法を用いて制作された、花や動植物の姿を写し取った作品は溜息が出る美しさです。その中にはシャネルが愛したカメリア(椿)も。

そして、シャネル、ディオール、サンローラン、バレンシアガといったグランメゾンと契約し、美しく独創的なコスチュームジュエリーを提供したデザイナーたちも現われます。
多くのメゾンに作品を提供し、中でもシャネルのビザンティン・スタイルデザインへの参加で多大な貢献をしたロベール・ゴッサンス。
ディオールに請われ、コスチュームジュエリーのデザインを担当し高品質で優美、ディオールのドレスによくマッチする作品を生み出したミッチェル・メイヤー。
シャネル、バレンシアガ、ランバンなど有名メゾンに次々と作品を提供、ディオールには最初期から制作に携わりその作品は度々『ヴォーグ』誌を飾ったフランシス・ウィンター等々……

年代ごと、ブランド・メーカーごとに細かく分けられた展示で、じっくりと堪能。


展示後半、コスチュームジュエリーの主戦場はヨーロッパからアメリカへ。
第二次世界大戦以前からコスチュームジュエリーの存在は知られていたものの、生産は徐々にヨーロッパの模倣からアメリカ独自の発展を遂げ本格化していきます。

アメリカのコスチュームジュエリーメーカーで、恐らく最も著名でありコスチュームジュエリーの歴史において欠かす事が出来ない存在であるミリアム・ハスケル。
そのチーフデザイナーであったフランク・ヘス、後任のロバート・F・クラーク。「ミリアム・ハスケル」製と一目で分かる、パーツや座金からオリジナル、接着剤を用いず緻密なワイヤーワークでビーズや模造パールなどを立体的に組み上げた美しいネックレスやブローチたちを間近に見る事ができました。
ミリアム・ハスケルのもので、模造ケシパールをたっぷり使用したネックレスなどがありましたが、この模造ケシパールは核となるガラスビーズにコーティングをして作られるそうですがケシパール並みの極小サイズとなると核ビーズの制作自体が困難で、どうやって作られたのか詳しい技法も伝わっていないとビーズクラフト関連の書籍で以前読んだ事があり、その細密な仕事ぶりには驚くばかりでした。

アメリカのコスチュームジュエリーメーカーは、この展覧会で主に紹介されていたもの以外にもコロ(Coro)、ジュリアナ(Juliana)、フロレンザ(Florenza)、サラ・コベントリー(Sarah Coventry)、ネイピア(Napier)、クレメンツ(Krementz)、クレイマー(Kramer)、香水・化粧品メーカーから始まったエイボン(Avon)、主に半貴石を用いたスワボダ(Swoboda)等々……とまさに綺羅、星の如くといった感じです。


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最後のコーナーは撮影可能なもの。上の画像はアイゼンバーグ&サンズ(Eisenberg&Sons)のブローチたち。

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こちらの二点はケネス・ジェイ・レーン(Kenneth Jay Lane)のもの。

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下の画像は“ジャッキー・オナシス スタイル”と名付けられた豪奢なネックレス。
「ジャッキー」は言うまでもなく、あのジャクリーン・ケネディ夫人。「オナシス」は後に再婚したギリシャ人富豪の姓です。再婚の際贈られたヴァンクリーフ&アーペルのファインジュエリーのレプリカ制作を依頼され、ケネス・ジェイ・レーンが制作、許可を得てコレクションとして発表されたものだそうです。

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展覧会の図録。
改めて様々な素材から作られたコスチュームジュエリーたちの美しい姿を細部まで見る事が出来、見応えたっぷり。
またデザイナー同士、あるいはブランドやデザイナーとセレブリティとの関わりが一目で分かる相関図、年代記もあり、資料としてもとても参考になります。

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一緒に写っているのは私が最も気に入っている、宝物といってもいいクラウントリファリ(Crown Trifari)のすみれのネックレスとピアスのセット(デミ・パリュール)。
折角なのでこの日はこのデミ・パリュールを身に着けて行きました。

希少性の高い初期KTFサインのものやアルフレッド・フィリップ時代のものなど、トリファリの貴重なジュエリーもたっぷり堪能。とても満足度の高い展覧会でした。



# by iris-accessory | 2023-11-06 22:13 | Art,Music etc.

これまでずっと、ネックレス・ブレスレット・リングといったアクセサリーの制作を主にしてきて、自分の作るこういったものには果たして需要があるのかは分かりませんが、何はともあれ楽しく作ったエポキシ樹脂(レジン)製のオブジェ。
台座は直径4.9cm程、高さはガラスドームの上までで9.3cm程で、手の平に乗る程のサイズです。

これまで作っていたものとはジャンルとしてかなり異なったものになってしまいますが、やはりこちらもiichiCreemaで販売という形にします。販売は少し先になりますが、その際には改めてお知らせします。チェックしていただければと思います。

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机の上などにちょこんとあったら素敵かなと思います。

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鉱物から型取りされた、リアルなレジン製の透き通ったクリスタルの中にも揺らめく蝶が。

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台座とドームはガラス製。ドームの固定はしていません。ドームを外すとこのような感じです。クリスタルの周囲にはシェルの欠片や透明なガラス粒を。

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使用したごく小さな蝶のパーツ。強度を増す為に両面にレジンを薄く塗り固め、更に艶消しのコーティング剤を塗布し質感に統一感を。
薄くむらなくレジンでコーティングを施すのはなかなか骨が折れました。

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# by iris-accessory | 2023-10-26 21:54 | 制作雑記

ハートに蝶

掌ですっぽり包み込める程のサイズの、エポキシ樹脂(レジン)の透き通った心臓。
オブジェのようなものを作ってみました。

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中にはたくさんの羽ばたく蝶たち。

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2液混合したエポキシ樹脂液を満たした立体型の中に蝶々たちを沈めていきますが、封入物を入れていく段階では型から外した出来上がりの状態は想像するしかないので、位置やバランスなどを考えながら配置するのはとても難しかったです。

やや時間を置いて、液が粘度を増した頃に封入物の位置を確定させるのがコツのようです。

何度も失敗してやっとそれなりに納得いくだけのものが一つ出来た、という感じでした。

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もう少し挑戦してみます。







# by iris-accessory | 2023-09-23 23:31 | 制作雑記

合成(ハイブリッド)オパールのブロック。

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オパール特有の遊色がこれ程綺麗に均質に現れるのは合成ならでは。まさに技術の賜物という感じです。

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遊色は撮影が難しく、ほんの少し角度を変えただけで光の色合いの出方も異なってしまい、なかなか「目で見た通り」という訳にはいかないなと改めて思いました。



# by iris-accessory | 2023-08-19 20:09 | Materials

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# by iris-accessory | 2023-08-01 19:43 | 連絡事項